前回「Microsoft 365アプリケーションを以前のバージョンにロールバックする方法 〜②GPOによる変更方法〜」を投稿しましたが、今回はその続きの検証となります。

今回はOffice展開ツールを使用して、365アプリケーションのロールバックする方法を検証していきたいと思います!


<検証環境>
クライアントOS:Windows 10 Pro 21H1
365アプリ:Microsoft 365 Apps for Business 64Bit (月次チャネル)
検証は2021年7月上旬に実施しました
その時の月次チャネル最新バージョン「2104」・ビルド「13929.20408」



手順としては以下のサイトを参考にしました。
以前のバージョンのファイルに戻すOffice
(注)最初に記載しておきますが、今回ご紹介する方法でOfficeアプリを以前のバージョンにロールバックすることはおすすめしません。理由は後述していきますが、実際にやる場合には前回の「GPOを用いる手順」や「コマンドによるロールバック手順」をおすすめします。
※あくまで個人的印象ですが・・・・(^_^;)



では実際に手順を検証していきたいと思います!!


〜検証〜

参考サイト通り、Office展開ツール用のxmlファイルを作成します。
↓↓作成したxmlファイルはこんな感じです↓↓
<Configuration ID="b21b5a65-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX">
  <Info Description="MonthlyEnterprise Channel" />
  <Add OfficeClientEdition="64" Channel="MonthlyEnterprise">
    <Product ID="O365BusinessRetail">
      <Language ID="ja-jp" />
      <ExcludeApp ID="Groove" />
      <ExcludeApp ID="Lync" />
    </Product>
  </Add>
  <Property Name="SharedComputerLicensing" Value="0" />
  <Property Name="SCLCacheOverride" Value="0" />
  <Property Name="AUTOACTIVATE" Value="0" />
  <Property Name="FORCEAPPSHUTDOWN" Value="FALSE" />
  <Property Name="DeviceBasedLicensing" Value="0" />
  <Updates Enabled="TRUE" TargetVersion="16.0.13901.20516" />
  <AppSettings>
    <Setup Name="Company" Value="TEST.Inc" />
  </AppSettings>
  <Display Level="Full" AcceptEULA="TRUE" />
</Configuration>
赤字で記載している行がロールバックするバージョンを指定している箇所となります。

xmlファイルの準備が出来たので、Office展開ツールを実行します。
08-以前のバージョンに戻すコマンド実行

09-以前のバージョンへ完了

Office展開ツールの実行が終わりました。
ただし、まだロールバック自体は実施されていません。
この後、Officeアプリを更新することでロールバックが実行されます!
10-以前のバージョンへ戻す

11-以前のバージョンへ戻す

13-以前のバージョンへ戻す

14-以前のバージョンへ戻った

これでロールバックが完了しました!
参考サイトの手順ではこの後、Officeの自動更新を無効化していますが、実際にはその手順は不要なんじゃないかと思われます・・・・
というのも、この状態で再度「今すぐ更新」を実行してもバージョンアップがされなかったからです(T_T)
15-以前のバージョンへ戻った後の更新画面
前回のGPOで制御した時のような画面が表示され、バージョンが固定化されてしまってますね(^_^;)


では最新版へ再度バージョンアップをしたい場合にはどうずれば良いのか?
答えはレジストリの中にありました。
レジストリキー:HKLM¥SOFTWARE¥Microsoft¥Office¥ClickToRun¥Configuration
名前:UpdateToVersion
種類:REG_SZ
値:(バージョンビルド)
12-以前のバージョンへ戻す際のレジストリ
このレジストリがあることでロールバックされる仕組みのようですが、バージョンが固定化されてしまう動作をするようです。
その為、再度通常のバージョンアップをしたい場合にはこのレジストリ値を削除する必要があります。
実際にこのレジストリ値を削除することで通常のバージョンアップが再度可能になることが確認出来ました。
(注)ただし参考サイト上では上記レジストリに対する情報が特に見当たらなかったので、
 僕個人の検証環境のせい、もしくはやり方が間違っている可能性は大いに考えられますが・・・・



↓↓参考比較としてロールバック用のOffie展開ツール実行前のレジストリはこんな感じです↓↓
17-通常のレジストリ情報
UpdateToVersion」がないことが確認出来ますね!


ですが、GPOでロールバックした時と同じ動作をするのであれば、わざわざxmlファイルを用意してOffie展開ツールを実行する手間がちょっと・・・・(^_^;)
というのが個人的な感想なので、おすすめしないやり方という結論に至りました!!


というところで、僕個人の最終的な結論としては
  • 複数台のPCの内、単体や比較的少数のPCのみをロールバックする場合は、コマンドによるロールバックが向いています。
  • (AD環境下で)複数台のPCをまとめてロールバックする場合は、GPOによるロールバックが向いています。
  • 今回の方法はあまりおすすめ出来ません・・・(T_T)


といったところで今回の検証も終了したいと思いますっ(^o^)


P.S. Microsoft 365アプリケーションを以前のバージョンに戻す、なんて検索するとMSの参考サイトが一番にヒットするので、今回検証した方法が一般的だと思ってました。ですが、実際に試してみると「コマンドによるロールバック」や「GPOによるロールバック」の方が簡単だったので、何事も試してみないとわからないものですね( ´ー`)フゥー...
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