今回はMicrosoft 365 Apps(旧 Office 365アプリ)を共有PCで使用する為の手順を検証・確認してみました。

Microsoft 365はユーザーライセンスの為、デスクトップ版アプリであるMicrosoft 365 Appsを使用する場合にはPC1台に対して1人が専有して使用することが想定されております。
その為、PC1台に対して複数人が使用するようなケース、いわゆる共有PCでの利用は基本的にライセンス違反となります。

しかし、次の2点を守ることで共有PCでの利用が可能となります。

1. 共有PCで使用可能なライセンスを購入し、使用が想定される全ユーザーに割り当てること


2. 共有PCでアプリを使用するために「共有コンピューターのライセンス認証」設定を実施すること


<参考サイト>
Microsoft 365 Apps に対する共有コンピューターのライセンス認証の概要


<検証環境>
Windows 10 Pro 21H1
Microsoft 365 Apps for Business バージョン2102 (半期エンタープライズチャネル)



1. 共有PCで使用可能なライセンスを購入し、使用が想定される全ユーザーに割り当てること

まずは共有PCで使用可能(必要)なライセンスについてです。
参考サイトには以下のように記載があります。
  • Microsoft 365 Apps for enterprise (旧称 Office 365 Plus) を含むすべてのプラン。 例: Office 365 E3、Microsoft 365 E5。
  • デスクトップ版の Project または Visio を含むすべてのプラン。 例: Project Plan 3、Visio Plan 2。
  • Microsoft 365 Business Premium プランには、Microsoft 365 Apps for business が含まれます。
つまり、大企業向けのEnterPriseプランやBusiness Premiumプランが対象であることがわかります。
(注)Business Standardは対象外なので注意が必要ですね!!


また、参考サイトの和訳がおかしい部分がありますが、原文で確認すると
「Shared computer activation is available for Education plans that include Microsoft 365 Apps for enterprise. For example, Office 365 A3 or Microsoft 365 A5.」
という表記があるので、教育機関向けプランも対象であることがわかります。


該当するライセンスを用意した上で、共有PCを使用する全てのユーザーに割り当てる必要があります。



2. 共有PCでアプリを使用するために「共有コンピューターのライセンス認証」設定を実施すること

次に共有PCで使用する際の設定についてです。
共有PCで365アプリを使用する設定を実施する方法は主に4つあります。

  1. 「共有コンピューターのライセンス認証を有効」にした構成ファイルを準備し、Office展開ツールでインストールする方法
  2. グループポリシーテンプレートを利用する方法
  3. レジストリに任意の値を追加する方法
  4. Microsoft サポート/回復アシスタントを利用する方法
1の方法はアプリケーションのインストール時に設定する方法。
2〜4の方法はアプリケーションがインストール済みの状態で、後から設定変更する際の方法です。

今回は1のインストール時に設定する方法を記載します。
※2〜4の方法は別記事で記載してます。
 (9/10追記)
[Microsoft 365]Microsoft 365 Apps(旧Office 365アプリ)を共有PCで使用する条件・手順を確認してみた②
で紹介しています。




まずは構成ファイルを作成します。
いつもどおり構成ファイルの支援サイト(https://config.office.com/)から作成していきます。
通常と変更する箇所としては、「ライセンスとアクティブ化」の部分で「共用コンピューター」を選択する点です。

↓↓出来た構成ファイルがこちら↓↓
01-初期xml


↓↓要らない記述もあるので、シンプルにした形がこちら↓↓
02-基本xml



Config-ShareComputer.xml
<Configuration ID="fab4db23-4ef0-402c-8122-1f96d196f5bf">
  <Add OfficeClientEdition="64" Channel="SemiAnnual">
    <Product ID="O365BusinessRetail">
      <Language ID="ja-jp" />
      <ExcludeApp ID="Groove" />
      <ExcludeApp ID="Lync" />
    </Product>
  </Add>
  <Property Name="SharedComputerLicensing" Value="1" />
  <Display Level="Full" AcceptEULA="TRUE" />
</Configuration>

記述で大事な箇所は
<Property Name="SharedComputerLicensing" Value="1" />
となります。


準備が出来たら通常通り、Office展開ツールを用いてインストールします。
03-フォルダ配置

04-コマンド実行

05-インストール実行画面

06-インストール完了


インストールが完了しました。
Officeを起動する前にレジストリを確認してみます。
07-レジストリ設定

レジストリキーHKLM\SOFTWARE\Microsoft\Office\ClickToRun\Configuration
名前SharedComputerLicensing
種類REG_SZ
データ1 ※1の場合に共用コンピューターのライセンス認証が有効

上記レジストリが設定されていることが確認出来ました!!
では実際にExcelを起動してライセンス認証(サインイン)をしてみます。
08-サインイン

09-サインイン

10-サインイン

11-サインイン

サインインが完了しました。

参考サイト
Microsoft 365 Apps に対する共有コンピューターのライセンス認証に関する問題のトラブルシューティング
より、共有コンピューターのライセンス認証が正常に動作しているかを確認します。
<バージョン情報>
12-バージョン情報確認
※「共用コンピューターのライセンス認証」という表記になっています。

<生成ファイル>
13-ファイル確認


正常にライセンス認証出来ているっぽいですね!!

ちなみに通常のライセンス認証の時と比較して、「アカウント」画面で「サブスクリプション製品〜」という表記が出ないようですね (゚д゚)!
<共有PCでのライセンス認証の場合>
14-バージョンの詳細が出ない
※正常な表記とのことです。

<通常のライセンス認証の場合>
16-通常の場合の表記

15-通常の場合のバージョン詳細
※通常は「ライセンスID」が表記されていることがわかります。

別ユーザーに切り替えてサインインしても同じように認証とファイル生成がされることが確認出来ました!!



少し長くなりましたが、今回はこんなところで終わりたいと思いますっ( ´ー`)フゥー...
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