今回はExchange Onlineの(オンライン)アーカイブメールボックスを有効化する方法を検証してみました。

1.オンラインアーカイブとは??

2.オンラインアーカイブ有効化手順(GUI)

3.オンラインアーカイブ有効化手順(Powershellコマンド)


1.オンラインアーカイブとは??

そもそもオンラインアーカイブとは??

基本的にExchange Onlineプラン1の場合、ユーザーに50GBのメールボックスが割り当てられます。
⇒マイクロソフトはこちらを「プライマリメールボックス」と呼称しています。

この「プライマリメールボックス」の他に追加のメールボックスとして割り当てられるものが「(オンライン)アーカイブメールボックス」となります。
※こちらは主に「アーカイブ用」を目的としたメールボックスになります。

プラン毎に各メールボックスの容量をまとめるとこんな感じになります。
 プラン
Exchange Onlineプラン1Exchange Onlineプラン2
プライマリメールボックス
容量
50GB100GB
アーカイブメールボックス
容量
50GB最大1.5TB
〜参考サイト〜
メールボックス格納域の制限

アーカイブ メールボックスの詳細


そして既定の動作としてはこんな感じで動くようです。

  • 2年(730日)以上経過したアイテムを自動でアーカイブメールボックスへ自動的に移動する
    ※上記日数は変更可能です。
  • プライマリ メールボックスの [回復可能なアイテム] フォルダーの中で14日以上経過したアイテムをアーカイブ メールボックスの [回復可能なアイテム] フォルダーへ自動的に移動する
    上記日数は変更不可です。
     変更可能のようです。ただしPowershellからしか変更出来ず、管理センター(GUI)では変更不可。
2022/6/2追記
↓↓日数を変更する場合の具体的な手順については、こちらを参考ください↓↓
[Exchange Online]アーカイブメールボックスへ自動で移動される日数を変更する方法 〜アイテム保持ポリシー〜


要約すると、アーカイブ用に追加の領域として用意されているのが「(オンライン)アーカイブメールボックス」。
⇒アーカイブを利用することでメインで利用するメールボックス50GB(もしくは100GB)をより有効的に使えるようにしたものって感じですかね。


この「(オンライン)アーカイブメールボックス」ですがユーザーを作成しただけでは利用出来ません。設定を有効化して初めて利用することが可能です。
有効化すると「オンラインアーカイブ〜」というメールボックスが表示され利用することが出来るようになります。

<有効化前>
(Outlook On The Web)
01-有効化前

(Outlookアプリ)
02-有効化前


<有効化後のOutlook画面>
(Outlook On The Web)
03-有効化後

(Outlookアプリ)
04-有効化後

有効化するとWeb版だと「In-Place Archive〜」、Outlookアプリだと「オンラインアーカイブ〜」というのが表示されるようになったのがわかります。
(注)現状は「Outlook On The Web」と「Outlookアプリ」じゃないと表示がされないようです。iPhoneのメールアプリ等から接続した場合等は表示されないようです。



2.オンラインアーカイブ有効化手順(GUI)

GUIから設定する方法としては主に2つの方法があります。
  1. 「Exchange管理センター」から設定する方法
  2. 「コンプライアンス管理センター」から設定する方法
    ※2022年5月30日に確認したところ「Microsoft Purviewコンプライアンスポータル」という名称に変わっていました・・・・^^;

ということでまずは「Exchange管理センター」から設定する方法。
「新しいExchange管理センター」を開き、
「受信者」-「メールボックス」より対象ユーザーを選択して「その他」-「メールボックスアーカイブの管理」から有効化します。
11-有効化方法


12-有効化方法

13-有効化後

14-有効化後
有効化後に「アーカイブの状態」が「None」から「Archive」になっているのがわかります。


次に「コンプライアンス管理センター」改め「Microsoft Purviewコンプライアンスポータル」から設定する方法。
「データライフサイクル管理」-「アーカイブ」より対象ユーザーにチェックを入れて「アーカイブの有効化」から設定します。
15-有効化方法

16-有効化方法

17-有効化後
有効化後に「アーカイブメールボックス」が「無効」から「有効」になっているのがわかります。


設定自体はどちらもわかりやすいですね!
ただし、どちらの方法も個別で有効化することしか出来ず、一括で有効化することが出来ません。。。。涙
Microsoft Purviewコンプライアンスポータル」からは一括で有効化出来そうな雰囲気がありますが、確認した限りでは出来ませんでした。
そこで一括で設定を変更したい場合には「Powershellコマンド」を用いて実施する必要があります。



3.オンラインアーカイブ有効化手順(Powershellコマンド)

実施するコマンドについては以下のサイトを参考にしました。
Exchange Online PowerShell を使用してアーカイブ メールボックスを有効または無効にする

↓↓使用するコマンド例は以下の通りです↓↓
#個別設定コマンド
Enable-Mailbox -Identity "プライマリーメールアドレス" -Archive

#一括設定コマンド
Get-Mailbox -Filter {ArchiveGuid -Eq "00000000-0000-0000-0000-000000000000" -AND RecipientTypeDetails -Eq "UserMailbox"} | Enable-Mailbox -Archive

#確認コマンド
Get-Mailbox -Filter {RecipientTypeDetails -Eq "UserMailbox"} | Select-Object PrimarySmtpAddress,DisplayName,ArchiveGuid


<実際のコマンド実行例>
22-設定コマンド

23-一括設定コマンド


参考サイトにもあるように「ArchiveGuid」の値が「00000000-0000-0000-0000-000000000000以外であれば、アーカイブメールボックスは有効化されています。



今回の検証もこんなところで終わりたいと思いますっ( ´ー`)フゥー...
普通は50GBや100GBもメールボックスがあれば、それだけで十分な領域だと思いますが、必要に応じてアーカイブメールボックスを有効化して更に便利に活用していきたいですねっ!!
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